現在、滞在している場所はKvenというフィンランドやスウェーデン、ロシアから18世紀から19世紀にかけてノルウェーに移住してきた少数民族の方が多く住むところです。そして町にはKven人たちの歴史がわかる小さな博物館があります。今回その博物館に行って学んだことや考えたことについて記述したいと思います。
言語について
Kven語はフィンランド語と非常に類似ており、「フィンランド語の方言」とも言えるそうです。牧場主のビョナルドさんはKven語を話すことができるのですが、以前フィンランドから牧場を手伝いに来た女の子とそれぞれKven語、フィンランド語で話して会話が成立したそうです。

上と右の表記がKven語で下と左の表記がノルウェー語です。こう見るとノルウェー語と少し似ているように思いますが、ノルウェー語とKven語では相互に理解することは難しいそうです。
生活について
Kvenの方たちが多く住むフィンマルク地方は緯度約70度に位置し、冬は2ヶ月ほど日が昇らない極夜や氷点下数十度まで気温が下がる厳しい自然環境にある場所です。そんな中で生き抜くために、Kvenの人々は知恵を絞り、自らの技術を活用し生活してきました。


左の写真にあるコートはトナカイの毛皮でできたコートです。冬の間はトナカイを移動手段とし、トナカイの毛皮で寒さを防ぎ暮らしたそうです。
右の写真は当時のKvenの人々が身につけていた洋服です。ここで気になったのがスカーフの柄です。以前、ロシアに行ったときに買ったスカーフの柄と似ていたので施設の方に聞いてみたところ、Kvenの人々はロシアやスウェーデン、ノルウェーの代表的な少数民族であるサーミ等と物々交換を頻繁に行なっていたそうです。

Kvenの人々は織物を得意としていたので、例えばサーミ族とは織物とトナカイの毛皮などを交換していたようです。サーミ族はテントの内部にKvenの人が作った織物を利用していたそうです。




Kvenの方々は木材を加工する技術に優れており、スキー板や農具、家具などを手作りして生活を営んでいました。
ちなみに右上の写真にある椅子はホストのお爺さんが作ったもので、戦時中ドイツ軍の攻撃を免れるために沼地に隠され、無事に生き残ったという歴史をもつ家宝だそうです。
アイデンティティーとノルウェー国内での位置付けについて
Kvenの方々は、ノルウェー北部の厳しい自然環境をその知恵と技術を使って生き抜いたことに誇りをもっています。しかし、Kvenの方々の存在は近年まで国に認められることがなく、ホストのスバンヒルさんは自分たちを「隠れた少数民族」と説明しました。
というのも、ノルウェーにはサーミ族というKvenの方々と同じようにノルウェー北部に住む(元々は遊牧民)少数民族が存在し、近年ではサーミ語がノルウェーの公用語として定められたり、その生活が映画化されたりなど少数民族としての地位が大きく認められています。
Kvenの方の話を色々考えることがありました。それは、後日ブログに記したいと思います。







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